旧劇でも新劇でも、すべてをわかったかのような発言をしつつ、すべてを語らない、皆まで言うなのゼーレ。
新劇場版では、完全にモノリス化(人ではなく電子データ化?)しており、ゲンドウと冬月の上司として、人類補完計画を指揮していました。
ゼーレとは何なのか。ゼーレのシンボルマーク(模様)は何を意味しているのか、今回はそれを考えていきたいと思います。
目次
ゼーレのシンボルマーク(模様)
ゼーレのマークといえば、新劇場版ではこれ
SEELEとは、ドイツ語で『魂』を意味します。
SEELEの下に書かれているドイツ語は、ベートーベンの『歓喜の歌』で登場する“Überm Sternenzelt richtet Gott, wie wir gerichtet”
訳すと、『星の輝く天幕のかなたでは神が裁く、我々がどう裁いたかを』となり、『神の裁き』に焦点を当てています。抜き出されている部分は第六節の一部であり、
人が神々に報いることはできない
しかし神々に倣うのはすばらしいことだ
悲嘆にくれるものも貧しいものも出てこい
朗らかなものと一緒に喜べ
怒りも復讐も忘れてしまえ
不倶戴天の敵も許すのだ
彼に涙を強要するな
悔恨が彼を苦しめるようにと願うな貸し借りの帳簿は破り捨ててしまえ!
世界全てが和解しよう!
兄弟よ – 星の輝く天幕のかなたでは
神が裁く、我々がどう裁いたかを
本来は『許しと和解』という行為が『神の裁き』につながるという文脈ですが、我々の裁きを天がさらに裁くのである、により重きを置いています。これは、我々=SEELEであれば、SEELEの裁きを神が裁くとなり、SEELEと神との間には特殊な関係があるといえます。
また、描かれているマークは、りんごと蛇があり、これは聖書では一セットですので、りんごと蛇をそれぞれ別に扱うのではなく、エデンの園で知恵の実であるリンゴを神の言いつけを守らず食べてしまい、罪を犯し楽園を追放された人間の原罪を表していると考えるのがしっくりきます。
七つ目に逆三角形は、いわゆる黙示録の七つ目の子羊(イエス)であり、第七の封印がとかれるとき、人類は第七のラッパ、第七の鉢とともに人類は滅び、最後の審判をへて神の王国が降臨する、まさに神の裁きの内容とその後の結末です。
ですので、ゼーレのマークが示しているのは、非常にシンプル
七つの封印・ラッパ・鉢から、シン・エヴァンゲリオンでゼーレが起きてほしいことを整理・予想する
ゼーレのシナリオは、ゼーレのマークを素直に解釈すると、黙示録での七つ目の子羊(イエス)が解く七つの封印に関係していると予想されます。
七つの封印の七番目の封印が七つのラッパをもたらし、七番目のラッパが七つの鉢(災害)をもたらすのが黙示録の神の裁きですので、内容を簡単にふりかえると
七つの封印
七つの封印は簡単に言うと、以下です。
- 福音の勝利
- 戦争の多発
- 飢饉
- 多くの人の死
- 迫害
- 万物更新の幻
- 七つのラッパ
ゼーレ目線でいえば、人類に一通りあったといえばあったんじゃないでしょうか。セカンドインパクトはゼーレにとって福音の勝利でしょうし、万物更新の幻は出来損ないのインフィニティでよければ、そういう幻はサードインパクトでありました。
ゼーレネルフは人類の敵として迫害されていると思います。
天使が吹く七つのラッパ
七つのラッパの内容は以下です。
- 地上の災い(1/3が焼け野原)
- 海の災い(1/3が血の海)
- 川の災い(1/3が苦よもぎ)
- 空の災い(太陽・月・恒星の1/3が暗黒)
- 疫病の災い
- 異星人による災い(人類の1/3の死滅)
- 七つの鉢
Qでは、地上・海・川の災いは描かれています=真っ赤。赤い世界というのは災厄の象徴であり、黙示録の受難です。空の災いはエヴァがガフの部屋が開くときの暗黒の世界とぴったり。
ゼーレ目線でいえば、異星人とは、ゼーレの福音(人類補完計画)を信じないヴィレでしょうか。エヴァの呪縛は不治の病で、死とは真逆なので、この範疇には入らなさそうです。
ここでは扱いませんが、エヴァの呪縛は、年を取っているようにも見えませんし、人間のままで、生命の実を手に入れた姿の感じもします。ゼーレからすると人類がインフィニティになってほしいのであれば、エヴァパイロットは邪魔な存在といえば邪魔な存在ですが。
エヴァの呪縛はまた今度の機会に
七つの鉢(災害)
七つの鉢(鉢に入っていた災害)は以下です。
- 悪の独裁者への災い
- 海は血になり海洋生物は全滅
- 川は血になる
- 太陽の灼熱
- 暗黒
- 地上の悪の勢力集結(ハルマゲドン)
- 大地震
フォースインパクトによって、ほぼすべてが達成されている気がします。真っ赤な世界はエスカレートし(いわゆるコア化)、インパクト時の暗黒の世界と大地震はいうに及ばず。
となると、残ったのは、独裁者と悪の勢力結集のハルマゲドンの続き。シン・エヴァンゲリオンって結局ハルマゲドン、人類最終戦争の映画なんですかね。
どう描くかは予告等で少しネタバレされている気がしますが、ゼーレ目線だと悪の軍団はヴィレなので、神の軍団といってよいか悩みますが、フォースインパクトで地上に浮上した黒き月からインフィニティが大量にでてきて、ヴィレと交戦、まさにハルマゲドンとなりそうです。
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ファイナルインパクトで神の王国、千年王国が設立
千年王国のキーワードは、死んだ者の復活(受肉)と不滅の肉体。まさにインフィニティそのものですよね。ゼーレが望むファイナルインパクトはこんな感じ?
神の王国は天からおりてくるはずですが、なんでしょう、ちょうどよく、月(または白き月?)がいい感じで、LCLの格子状の線がはいっているんですよね。旧劇のthe end of evangelionで魂が集まった黒き月と似たような状態。これがハルマゲドンの後の神の国として機能するのか。
ゼーレのシナリオだと、リリスによる神の裁きが終わり、はれて神の王国インフィニティの時代へという流れではないかと思いますが、
当然、ゲンドウ・冬月コンビはフォースインパクトの後で『ゼーレのシナリオを書き換える(ユイのいる初号機を新たな神に据える?)』と言ってますし、ヴィレは『人類は今のままで結構』、シンジ君は『カシウスとロンギヌスの二本の槍でやり直したい(意志が自分を書き換えていく、とカヲル君もいっているので、さらに別を選択?)』なので、そこでどう大逆転が起きるかですね。
まとめ:ゼーレのシナリオでのインパクト
ゼーレの仮面のマークに従い、黙示録ベースで考えると
- セカンドインパクト:七つの厄災『福音の勝利』
- サードインパクト:七つの厄災『万物更新の幻』
- フォースインパクト:七つの鉢『ハルマゲドン』
- ファイナルインパクト:神の王国の樹立(不滅の肉体であるインフィニティ、天から降りてくる月)
という感じ
まとめ:ゼーレ目線のシン・エヴァンゲリオンの内容はどうなる?
ゼーレ目線であれば、シン・エヴァンゲリオンは、神の王国たる千年王国の樹立のような話だと思います。受肉による復活と不滅の肉体が黙示録の最後ですので、神リリスとの契約更改、インフィニティを目指していたんじゃないかしら。
対して、ゲンドウ・冬月コンビがもくろむ別シナリオ、シンジ君がやらかしてしまうさらに別シナリオは、内容がそれとは異なるでしょう。それについては、またの機会に考えたいと思います。